yoga kutir 凪

ヨーガクティールなぎ

【ヨガ・ボディポーズ練習の起源】

ようやく読了。

ちょっと読みづらいけど、印象深い本でした。

 

インドにおける近代ヨガがどのようにして成立していったのか、ということを丁寧に調査・分析している良書です。

 

その昔、何かというと「伝統的なヨガの場合は・・・」っていうような言い方をする先生がいらっしゃったんですね。主にアイアンガーヨガをベースにしたクラスで。

 

で、ある時一緒に受けていた友達と帰りにちょっとお話してたのですが、そこで彼女と交わした会話がずっと印象に残ってたんです。

 

あの先生の言う「伝統」ってのがよくわかんないけどさ、アイアンガーヨガの創始者って九十何歳とかでまだ生きてるくらいでしょ?(←かなり昔の話なので、かろうじてまだ生きてた。)

うむ、確かに。

 

100年弱の歴史で普通、伝統って言う?短くね?って思っちゃうんだけど。

だよね~。

 

ヨガの起源、みたいな話をするとウン千年前の遺跡がどうのこうのっていうことを教わるし、ヨガの伝統っていうならそれくらいの単位で考えちゃうんだけど?何十年とかそんなもん?って思っちゃう。

うん、 わかる~。

 

今スタジオで一般的に教えられているのが初期のヴェーダの時代に比べれば新しい「ハタヨガ」なのだとしても(ホントは全然違うけど)、やはり1000年近い歴史にはなる。

 

でも、アイアンガーヨガがその1000年の伝統を紡いで出てきたとは、到底思えないわけです。ダウンドッグとか戦士のポーズとか、その頃のハタヨガ文献に出てこないし。

 

この時の彼女と話した「よくわかんないだけど」っていうモヤモヤが、「なあるほど!」となるような内容なのでありました。

 

20世紀初頭からインドの指導者がアメリカに渡って活躍していて、(まあ弾圧されたりもしてるっぽいけど)少なくとも一部のアメリカ人に大きな影響を与えてる。その歴史ももう100年ほど。そして何はともあれ、その欧米で培われたヨガが今は主流。日本とは少し異なる発展の歴史を持つ。(まあ、日本はオウム真理教のアレもあったしな・・・)

 

だから、インドに遊学しにいくよりも欧米におけるヨガの歴史を紐解いた方が、現代ヨガの理解が深まるのでは?って、以前からそんな気はしていた。それを分かりやすくまとめてくれた一冊という感じ。

 

しかし、この19世紀末〜20世紀初頭ってのは世界中で本当に色んな思想が渦巻いた面白い時代だったんだな、と想いを馳せています。その後の世界を大きく動かす原動力にもなる優生学が流行ったのもこの頃で、それが近代ヨガ発展の歴史とも無関係ではないというのも面白い。

 

 翻訳本だからか、カタカナの名前が多すぎて(名前が分からなくて挫折するロシア文学のごとく)混乱するからか、ちょっと読みづらいのですが、価値ある一冊です。

 

 

ヨガ・ボディ: ポーズ練習の起源
マーク・シングルトン
大隅書店
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